会社を設立したばかりの起業家にとって、資金調達は最大の課題のひとつです。融資だけでなく、返済不要の「補助金」や「助成金」を活用できれば、事業の立ち上げが格段にスムーズになります。
この記事では、筆者が実際に合同会社設立時に申請・受給した経験をもとに、2026年最新の起業家向け補助金・助成金を厳選してご紹介します。申請のコツや注意点も具体的に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 起業家が実際に使える補助金・助成金の種類と金額
- 申請から受給までの具体的な流れ
- 採択率を上げるための実践的なポイント
- 補助金申請を効率化するツールの活用法
補助金と助成金の違いとは?起業家が知るべき基礎知識
まず、「補助金」と「助成金」の違いを理解しておきましょう。どちらも返済不要の資金支援ですが、性質が異なります。
補助金の特徴
補助金は主に経済産業省や自治体が管轄し、予算が限られているため審査があり採択率が変動します。申請書類の質や事業計画の妥当性が評価されるため、事前準備が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 経済産業省、中小企業庁、自治体など |
| 審査 | あり(採択率20〜50%程度) |
| 支給タイミング | 後払い(経費支出後に申請) |
| 金額 | 数十万円〜数千万円 |
助成金の特徴
助成金は主に厚生労働省が管轄し、要件を満たせば原則受給できるのが特徴です。雇用関係の助成金が多く、従業員を雇用する予定の起業家には特におすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 厚生労働省、労働局など |
| 審査 | 要件を満たせば原則支給 |
| 支給タイミング | 後払い(要件達成後に申請) |
| 金額 | 数十万円〜数百万円 |
筆者が合同会社を設立した際は、まず助成金で確実に資金を確保し、その後補助金にチャレンジするという戦略を取りました。この方法は資金繰りの安定性が高く、おすすめです。
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【2026年版】起業家におすすめの補助金5選
ここからは、会社設立後すぐに申請できる代表的な補助金を、金額が大きい順にご紹介します。
1. 小規模事業者持続化補助金(通常枠)
最も採択されやすい定番補助金!
筆者も設立1年目に採択され、Webサイト制作費用として50万円を受給しました。
対象者: 常時使用する従業員が5人以下の小規模事業者
補助額: 最大50万円(補助率2/3)
補助対象経費: 広告費、Webサイト制作費、展示会出展費、設備費など
申請のポイント:
- 年4回程度の公募があり、チャンスが多い
- 商工会議所の支援を受けることで採択率アップ
- 事業計画書はA4で8〜10ページ程度でOK
採択率: 約60〜70%(2025年度実績)
申請費用: 0円(商工会議所の支援も基本無料)
2. IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)
対象者: 中小企業・小規模事業者
補助額: 最大350万円(補助率3/4〜2/3)
補助対象経費: 会計ソフト、受発注システム、決済ソフト、PCやタブレット等
申請のポイント:
- ITツール導入で業務効率化を図る事業者向け
- 登録されたITベンダーの製品のみが対象
- 会計ソフト導入なら50万円以下の枠で補助率3/4
筆者の場合、クラウド会計ソフトと勤怠管理システムを導入し、約30万円の補助を受けました。起業直後のシステム投資負担が大幅に軽減されます。
採択率: 約80〜90%(要件を満たせばほぼ採択)
申請費用: 0円(ITベンダーがサポート)
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3. ものづくり補助金(通常枠)
対象者: 中小企業・小規模事業者
補助額: 最大1,250万円(補助率1/2)
補助対象経費: 機械装置費、技術導入費、システム構築費など
申請のポイント:
- 製造業やサービス業の設備投資に最適
- 革新的なサービス開発・生産プロセス改善が対象
- 事業計画書は15ページ程度で詳細な記述が必要
採択率: 約40〜50%
申請費用: 0円(認定支援機関の確認が必要)
注意: ものづくり補助金は申請書類の難易度が高めです。初めて申請する場合は、認定支援機関(税理士や商工会議所)のサポートを受けることを強くおすすめします。
4. 事業再構築補助金(成長枠)
対象者: 新分野展開や業態転換を行う中小企業
補助額: 最大7,000万円(補助率1/2)
補助対象経費: 建物費、機械装置費、システム構築費、広告宣伝費など
申請のポイント:
- 既存事業からの大きな転換を伴う投資が対象
- 売上高10%以上の減少要件が撤廃された成長枠がおすすめ
- 事業計画書は非常に詳細(20ページ超も珍しくない)
採択率: 約30〜40%
申請費用: 0円(認定支援機関の確認が必須)
5. 地域創造的起業補助金(自治体独自制度)
対象者: 地域で新たに創業する事業者(自治体により異なる)
補助額: 50万円〜200万円(自治体により異なる)
補助対象経費: 店舗借入費、設備費、広告費など
申請のポイント:
- 東京都、大阪府、福岡市など主要自治体で実施
- 地域課題解決型のビジネスが優遇される傾向
- 自治体によって要件が大きく異なるため個別確認必須
採択率: 自治体により20〜60%
申請費用: 0円
【2026年版】起業家におすすめの助成金4選
続いて、要件を満たせば受給できる助成金をご紹介します。特に従業員を雇用する予定がある方は必見です。
1. キャリアアップ助成金(正社員化コース)
対象者: 有期雇用労働者を正社員化した事業主
助成額: 1人あたり57万円(中小企業の場合)
要件: 6か月以上雇用した有期雇用労働者を正社員に転換
筆者の会社では、パートタイムで採用したスタッフを半年後に正社員化し、この助成金を受給しました。雇用の安定化と資金支援の両方が実現できる優れた制度です。
受給までの期間: 正社員化後6か月経過後に申請可能
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2. 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
対象者: 育児休業取得者を支援する事業主
助成額: 最大67万円
要件: 育児休業取得者の職場復帰支援計画を作成・実施
3. トライアル雇用助成金
対象者: 職業経験が少ない求職者を試行雇用する事業主
助成額: 1人あたり月額4万円×最大3か月(最大12万円)
要件: ハローワークの紹介で対象者を原則3か月試行雇用
4. 特定求職者雇用開発助成金
対象者: 高年齢者や障害者などを雇用する事業主
助成額: 60万円〜240万円(対象者の属性による)
要件: ハローワーク等の紹介で対象者を雇用し、1年以上継続雇用
ポイント: 助成金は「雇用後」に申請するものがほとんどです。雇用計画を立てる段階で、どの助成金が使えるか確認しておくことが重要です。
補助金・助成金申請で失敗しないための5つのポイント
筆者が実際に複数の補助金申請を経験して学んだ、採択率を高めるための実践的なポイントをお伝えします。
1. 公募要領を隅々まで読み込む
最も基本的ですが、これを怠ると不採択につながります。公募要領は50ページを超えることもありますが、必ず全ページに目を通し、マーカーを引きながら要件を確認してください。
筆者の失敗談ですが、初めての申請時に「事業計画書の添付書類」の記載を見落とし、書類不備で審査対象外になりかけた経験があります。
2. 採択事例を徹底的に研究する
多くの補助金では、過去の採択事例が公開されています。自分の事業と近い業種・事業規模の事例を5件以上読み込み、どんな表現や構成が評価されているかを分析しましょう。
3. 数値目標を具体的に設定する
「売上向上を目指す」ではなく、「初年度売上1,200万円、3年後に2,500万円を達成」といった具体的な数値目標を設定してください。審査員は事業の実現可能性を数字で判断します。
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| 顧客満足度を向上させる | NPS(顧客推奨度)を現状35から50に向上(1年以内) |
| 生産性を高める | 従業員1人あたりの売上を現状500万円から700万円に40%向上(2年以内) |
| 新規顧客を獲得する | 月間新規顧客数を現状20社から50社に150%増加(6か月以内) |
4. 専門家のサポートを積極的に活用する
商工会議所や認定支援機関(税理士・中小企業診断士)の無料相談を活用しましょう。筆者は申請前に必ず商工会議所で事業計画書を見てもらい、フィードバックを反映させています。
無料で利用できる支援:
- 商工会議所・商工会の経営相談(無料)
- よろず支援拠点の専門家派遣(無料)
- 地域の創業支援センター(無料)
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5. スケジュール管理を徹底する
補助金申請は締切ギリギリに慌てると、ミスや記載漏れが発生しやすくなります。締切の2週間前には提出できる状態を目指しましょう。
注意: 電子申請システム(jGrants)の登録には数日〜1週間かかることがあります。初めて申請する方は、締切の1か月前には準備を始めてください。
補助金申請を効率化するツール活用法
複数の補助金に申請する場合、情報収集や申請書類の作成に膨大な時間がかかります。筆者が実際に使っている効率化ツールをご紹介します。
補助金・助成金検索ツール
「マネーフォワード補助金」などの検索サービスを使えば、自社の業種・地域・目的に合った補助金を素早く見つけられます。公募スケジュールも一元管理できるため、申請漏れを防げます。
筆者の経験では、手動で検索していた頃は月に5〜6件の補助金しか見つけられませんでしたが、ツールを使い始めてからは月20件以上の候補をチェックできるようになりました。
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事業計画書テンプレートの活用
中小企業庁や各補助金の公式サイトでは、事業計画書のひな形が公開されています。ゼロから作るのではなく、テンプレートをベースにカスタマイズすると効率的です。
クラウド会計ソフトとの連携
補助金の実績報告では、経費の証憑書類が大量に必要になります。日頃からクラウド会計ソフトで経費を管理しておけば、報告書作成の手間が大幅に削減できます。
よくある質問(Q&A)
Q1. 個人事業主でも補助金・助成金は申請できますか?
はい、多くの補助金・助成金は個人事業主も対象です。ただし、助成金の一部は「法人格を持つ事業者のみ」という条件がある場合もあります。公募要領で必ず確認してください。
Q2. 複数の補助金を同時に申請できますか?
原則として可能ですが、同じ経費に複数の補助金を重複適用することはできません。例えば、Webサイト制作費を小規模事業者持続化補助金で申請した場合、同じ制作費をIT導入補助金で申請することはできません。
Q3. 補助金は課税対象になりますか?
はい、補助金・助成金は課税所得となります。受給した年度の収入として法人税(または所得税)の対象になりますので、税理士に相談して適切に処理しましょう。
Q4. 不採択になった場合、再申請は可能ですか?
はい、多くの補助金で再申請が可能です。筆者も初回申請で不採択になった経験がありますが、フィードバックをもとに事業計画書を改善し、次回で採択されました。諦めずに再チャレンジすることが大切です。
まとめ:補助金・助成金を賢く活用して起業を成功させよう
起業時の資金調達において、返済不要の補助金・助成金は非常に魅力的な選択肢です。ただし、申請には時間と労力がかかるため、計画的に取り組むことが重要です。
この記事のポイントまとめ
- 補助金は審査あり・助成金は要件を満たせば原則受給可能
- 小規模事業者持続化補助金は採択率60〜70%で最も狙いやすい
- 助成金は雇用関連が中心で、従業員採用予定者におすすめ
- 公募要領の熟読と数値目標の具体化が採択率アップの鍵
- 検索ツールを活用して情報収集を効率化しよう
筆者自身、会社設立から3年間で合計約300万円の補助金・助成金を受給し、事業の成長スピードを大きく加速できました。皆さんもぜひ、この記事を参考に自社に合った制度を見つけて、チャレンジしてみてください。
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