合同会社は、会社をいったん廃業して株式会社を新設しなくても、「組織変更」の手続で株式会社へ変更できます。会社としての継続性を保ちながら形態を変更できる一方、債権者保護手続があるため短期間で即日変更できる手続ではありません。
主な流れ
- 組織変更計画を作る
- 社員の同意を得る
- 債権者保護手続を行う
- 効力発生日を迎える
- 法務局へ組織変更登記を申請する
- 銀行・契約先・許認可等を更新する
合同会社から株式会社への「組織変更」とは
法務局は持分会社から株式会社への組織変更用として、2026年5月更新の申請書様式「3-9 持分会社の組織変更(持分会社→株式会社)」を公開しています。
→ 最新の3-9様式を確認する
ステップ1:組織変更計画を作成する
変更後の株式会社の商号、目的、本店、発行可能株式総数、株式の割当て、役員、効力発生日などを設計します。現在の定款と将来の株主・役員構成を整理してから作成します。
ステップ2:社員の同意を得る
合同会社から株式会社への組織変更では、社員の同意が重要な手続になります。複数社員がいる会社は、持分・利益分配・新会社の株式割当てまで事前に合意しておきましょう。
ステップ3:債権者保護手続
組織変更では債権者が異議を述べるための期間を設けます。法務局の公告例では、公告掲載の翌日から1か月以内に異議を申し出る旨を記載する例が示されています。官報公告や、必要に応じた既知の債権者への催告を行います。
このため、組織変更は「数日で終わる」と考えず、最低でも債権者保護期間を含めて日程を組む必要があります。
ステップ4:効力発生日と登記
組織変更計画で定めた効力発生日後、法務局へ所定の登記申請を行います。必要書類は会社の構成によって異なるため、最新の記載例を確認します。
変更後に確認する手続
- 法人口座・決済サービス
- 取引先との契約・請求書表記
- 税務・社会保険の届出
- 許認可・届出
- Webサイト・特定商取引法表記
- 印鑑・印鑑証明を使う運用
法人番号等の扱いだけを見て「すべて自動で引き継がれる」と判断せず、各契約先・許認可官庁に変更届が必要か確認してください。
費用は何がかかる?
登記の登録免許税、官報公告費、専門家へ依頼する場合の司法書士報酬などが主なコストです。資本金や申請内容で登録免許税計算が変わるため、法務局の最新申請書・登録免許税の記載例で確認してください。
株式会社へ変えた方がよいケース
- 株式で外部投資家から資金調達したい
- 将来の株主参加・ストックオプション等を設計したい
- 取引・採用で株式会社の形式が具体的に求められている
単に「株式会社の方が信用されそう」という理由だけなら、変更費用と手間に見合うかを先に確認しましょう。
まとめ
合同会社から株式会社への変更は可能ですが、組織変更計画・社員同意・1か月以上を要する債権者保護手続・登記が必要です。取引や資金調達上の具体的な目的ができたタイミングで検討するのが合理的です。
公式情報・参考資料
税制・社会保険・登記手続は変更される場合があります。実際に手続する際は最新の公式情報を確認してください。

